栗樹くりのき)” の例文
にはかに夜も昼もかぐはしい夢を見る人となつて旦暮あけくれ『若菜集』や『暮笛集』を懐にしては、程近い田畔たんぼの中にある小さい寺の、おほきい栗樹くりのきの下の墓地へ行つて
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それぎりであった。たぶん栗が落ちたのであろう、武蔵野には栗樹くりのきもずいぶん多いから。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
おほきい栗樹くりのきの下の墓地へ行つて、青草に埋れた石塔に腰打掛けて一人泣いたり、學校へ行つても、倫理の講堂でそつと『亂れ髮』を出して讀んだりした時代の事や
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)