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柴田権六
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しばたごんろく
「まずこれで
伊勢は片づけた、——つぎには
柴田権六か、きゃつも、ソロソロ
熊のように、雪国の
穴から首をだしかけておろう……」
柴田権六に
召使われていたころは、つねに、
攻めようとする
敵地へ先へはいって、そこの
地勢水理をきわめておくのが自分の仕事であった。
北国路とて同じこと、
柴田権六、ちかく
賤ヶ
岳まで
軍兵をだして、
木ノ
芽峠には
厳重な
柵をかまえているように聞きますゆえ、ここを通るも
難中の難でござる。
柴田権六と、小姓の犬千代など、四、五名をつれていた。