柔和やさ)” の例文
母にれ抜いた自分は、常から父をはばかっていた。けれども、本当の底を割って見ると、柔和やさしい母の方が、苛酷きびしい父よりはかえってこわかった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ベンヺ やれ/\、柔和やさしらしうゆるこひめが、そんなむごいことや手荒てあらいことをしますか?
赤くかじかんだ手で、濡雑巾ぬれぞうきんしぼりながら、例のごとく柔和やさしいにこやかな顔をして
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あかかじかんだで、濡雜巾ぬれざふきんしぼりながら、れいごと柔和やさしいにこやかなかほをして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)