染模様そめもよう)” の例文
先づ文学としては役者評判記やくしゃひょうばんきまた劇場案内記げきじょうあんないき等の類にして、絵画としては鳥居とりい勝川かつかわ歌川うたがわ諸派の浮世絵、流行としては紋所もんどころ縞柄しまがら染模様そめもようの類なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
姉様遊びの姉さまが新嫁にいよめの別名であったことは、あの顔より大きな髪飾かみかざり、紅の衣裳いしょう染模様そめもようを見てもわかるが、その花オカタが古いオカタと同居して、特に姉様と呼ばれて区別せられる必要などは
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
浮世絵を見るにひて画中の人物をして屏風びょうぶの山水または七福神の掛物の如き背景と相混同せしめて機智の妙を誇るあり。染模様そめもようには文字と絵画との区別を不明ならしめて一の図案となすものあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)