枢要すうよう)” の例文
名前は言えぬが、軍にはちゃんと、枢要すうようの地位にある人で、わしらの共鳴者がおったのだ。とは言え入手にはすこぶる苦心したものだ。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
あってもないようなものの存在が、国家の枢要すうようなところに、名だけをもっている時代ほど、怖ろしいものはない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくら研究の自由だからと言っても、ちゃんと大学令に、国家に枢要すうようなる研究の蘊奥うんのうを極めとある以上、(本当はそんなことは書いてないが)国家に害あるような研究を
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
此の枢要すうようの地を材略武勇の足らぬものにたくして置くことは出来ぬ。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ために、そのころは、上皇のお覚えもめでたく、官職も枢要すうようき、庄園しょうえん(知行所)の地も増され、たまわり物も少なくなかった。——かの女は、それを忘れない。
「……されば、よいしおに、御出頭あったものといってよい。もし鎌倉においでたら、恩賞にあずかっても、それら枢要すうようの職につくことはなかったろう。ぜひ、ご推挙すいきょ申し上げる」
むしろ、枢要すうような位置にあるものほど、また、なまなかの知識ある者ほど
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)