果合はたしあ)” の例文
そうして各自てんでに刀をもって果合はたしあいをやるのです。それには立会人があって、どっちの遣り方が善いとか悪いとかいう判断を下します。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
かのいわゆる果合はたしあいなるもの行なわれたるはわが封建武士が双刀を横たえたるのときにおいてもっともはなはだしかりしを知らば
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
浪「しからばお相手は致しますが、宜くお心を静めて御覧ごろうじろ、さして御立腹のあるべき程の粗相でもないに、果合はたしあいに及んでは双方の恥辱になるが宜しいか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吉岡の門弟百余名が清十郎の一子又七郎という子供をかこんで武蔵に果合はたしあいを申込んだ。敵は多勢である。今度は約束の時間よりも遥かに早く出向いて木の陰に隠れていた。
青春論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
両人は私怨しえんさしはさみ、果合はたしあいを約したという風聞だ、その虚実は今は問わぬが、只今の御家のていを拝したら、それどころではあるまい、くだらぬ騒ぎをして不忠を働くな、それよりは主君の御憤りを
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
甲「斯う致そう、当家こゝでも迷惑をいたそうから、表へ出て、広々した飛鳥山の上にて果合はたしあいに及ぼう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)