“板元”の読み方と例文
読み方割合
はんもと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寛政のむかし山東庵京伝さんとうあんきょうでん洒落本しゃれぼんをかきて手鎖てぐさりはめられしは、板元はんもと蔦屋重三郎つたやじゅうざぶろうふれにかまはず利を得んとて京伝にすすめて筆を執らしめしがためなりといひ伝ふ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
錦絵の板元はんもとでは正月を当て込みにいろいろの新版を刷り出して、小売りの絵草紙屋の店先を美しく飾るのが習いで、一枚絵もある、二枚つづきもある、三枚つづきもある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今日こんにち英山の価値は穏和なる模擬の手腕く過去の名家を追想せしむる処にありとなすも酷評にはあらざるべし。英山は晩年に至り板元はんもとの請求に応じて北斎の筆法に模し名所絵をも出せり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)