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杳然
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ようぜん
ふりがな文庫
“
杳然
(
ようぜん
)” の例文
イクバクモ亡クシテ彦之ハ房州ニ帰リ
彼此
(
かれこれ
)
訊問
杳然
(
ようぜん
)
タルコト数年ナリ。庚戌ノ秋余事アリ房州ニ赴キ
過
(
よぎ
)
リテ彦之ヲ見ル。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
昔しの人は
想
(
そう
)
こそ
無上
(
むじょう
)
なれと説いた。
逝
(
ゆ
)
く水は日夜を捨てざるを、いたずらに真と書き、真と書いて、去る波の今書いた真を今
載
(
の
)
せて
杳然
(
ようぜん
)
と去るを思わぬが世の常である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
結婚の世話になって以来、碌にしみじみ話をする機会も無い
間
(
うち
)
に、今井は
杳然
(
ようぜん
)
として
死
(
しん
)
だ。
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
舟は
杳然
(
ようぜん
)
として
何処
(
いずく
)
ともなく去る。美しき
亡骸
(
なきがら
)
と、美しき
衣
(
きぬ
)
と、美しき花と、人とも見えぬ一個の翁とを載せて去る。翁は物をもいわぬ。ただ静かなる波の中に長き櫂をくぐらせては、くぐらす。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“杳然”の意味
《名詞》
遥かに遠いさま。
(出典:Wiktionary)
杳
漢検1級
部首:⽊
8画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“杳”で始まる語句
杳
杳々
杳冥
杳渺
杳窕
杳茫
杳樹
杳眇
杳遠