杉戸すぎと)” の例文
園田家の杉戸すぎとの豹が、ぬけだしたのも、毛がわが生きた豹になって、動きだしたのも、みんな、きみのしわざだった。
黄金豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さて手を取つて、其のまゝなやし/\、お表出入口の方へ、廊下の正面を右に取つて、一曲ひとまがり曲つて出ると、杉戸すぎといて居て、たたみの真中に火桶ひおけがある。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
伊那丸と園部一学そのべいちがくがそこに対座たいざしたとき、杉戸すぎとのそとには、木隠龍太郎こがくれりゅうたろう蔦之助つたのすけ小文治こぶんじなどが、大刀をつかんで、よそながら主君しゅくんの身をまもっているぶりであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足弱を連れて、道ははかどりはしないが、ひと晩とまった翌日は、粕壁から一里で二つや、杉戸すぎと
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
途端に、杉戸すぎとを蹴って駈け寄った天堂一角。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)