木葉こっぱ)” の例文
その大名は吹けば飛ぶような木葉こっぱ大名でなく、立派に大名の資格を具えている家柄の殿様でしたが、それがしきりに諸越のところへ通ってゆく。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お湯の熱いうちに早く帰って来れば可い。然し今日もしか前借して来てくれないと今夜も明日も火なしだ。火ぐらい木葉こっぱ
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
硝子ガラス木葉こっぱ微塵となり、どこか、蒲団マットのしたからキナ臭い匂いが立ちのぼってきます。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
木葉こっぱであろう? 木葉こっぱであろう?」狐につままれたと思っているのだ。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どうでこんなうちですから、亭主はごろつきのような奴で、丁度仲間の木葉こっぱごろがあつまって奥で手なぐさみをしているところでしたから、すぐにどや/\と駈けつけて来たのです。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「と云って、おどかしただけで、実はさんざんのていで引き揚げて来たんですよ。浅蜊あさりッ貝を小一升と、木葉こっぱのようなかれいを三枚、それでずぶ濡れになっちゃあ魚屋さかなやも商売になりませんや。ははははは」
半七捕物帳:32 海坊主 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)