木杭ぼっくい)” の例文
ここが伐採本部で、石川組作業場という白ペンキ塗りの木杭ぼっくいが立っている。トラックの来往はげしく、活気が溢れている。
現代忍術伝 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
またそこここに寺院の大屋根が五つも見えるが、……庶民どもの住宅街はまるでひどい、乞食部落というより焼け木杭ぼっくい繩蓆なわむしろをつくねた感じである。
「伊勢守様も、もう都の空だよ。大胡城は去年、上杉勢に攻め落されて、石垣と木杭ぼっくいしか残っていない。そこに今あるのは、上杉家の侍衆さむらいしゅうのお陣屋さ」
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
焼け木杭ぼっくい見たいになっているかも知れない……そう思うと情けないやら、なつかしいやら、またそれがいかにも無残で、惜しいやら、私はただもうふらふらとその現場へ飛んで行きたくなりました。