木曾駒きそごま)” の例文
新字:木曽駒
聞いてみれば、博労はひいている馬に高瀬の薬を添え、それを木曾駒きそごまの証拠として、ほかの買い手へ売り渡す時に用いるとか。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木曾駒きそごまか、奥州駒おうしゅうごまか、あるいは九州の産のものか、どうも見当が附かない。
街道には、毛付けづけ(木曾福島に立つ馬市)から帰って来る百姓、木曾駒きそごまをひき連れた博労ばくろうなぞがかさ合羽かっぱで、本陣の門前を通り過ぎつつある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木曾は馬の産地で、馬を飼わない百姓はなかったくらいですから、福島にいちの立った時は近在のものが木曾駒きそごまを持ち寄ります。それを買いに諸国から博労ばくろうが入りこんできます。町もにぎわいの時です。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)