木下こした)” の例文
その白樺は、ここからは一部が見えるだけで、木下こしたから仰いで見た感じとは遠いものであった。
烏帽子岳の頂上 (新字新仮名) / 窪田空穂(著)
林中にはもみが生ひ茂つて、その木下こしたにはきのこの群生した所もあつた。そこを通抜けると、紅葉もみぢして黄色く明るくなつた林を透して深い谿間たにまが見える、その谿間をイーサルの川が流れてゐるのである。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
三井寺や葉わかかへで木下こしたみち石も啼くべき青あらしかな
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
木下こしたの風はなかを無心に吹きめぐる……
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
谷ぞこはひえびえとして木下こしたやみわが口笛くちぶえのこだまするなり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)