朝腹あさっぱら)” の例文
「先生。大変な騒ぎで御座ります。奥山おくやまねえさんが朝腹あさっぱらお客を引込もうとした処を隠密おんみつ見付みつかりお縄を頂戴ちょうだいいたしたので御座ります。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「泣蟲ッ、朝腹あさっぱらからんだ。」と父は鋭い叱咜しったの一声。然し、母上は懐の片手を抜いて、静に私のかしらを撫で
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
「僕ア毎日遊んでるんだから、旦那のいない時、夜中でも朝腹あさっぱらでもいつでもいいよ。旦那が来たら裏口から内所で逃げてってやらア。こんな訳のわかった色男はあるまい。」
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)