朝六あさむ)” の例文
朝六あさむつの橋を、その明方あけがたに渡った——この橋のあるところは、いま麻生津あそうづという里である。それから三里ばかりで武生たけふに着いた。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前夜、福井に一泊して、その朝六あさむばし、麻生津を、まだ山かつらに月影を結ぶ頃、霧の中をくるまで過ぎて、九時頃武生に着いたのであった。——誰もいう……此処ここは水の美しい、女のきれいな処である。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)