月代つきしろ)” の例文
追撃の小競合こぜりあいはそこにもここにもあった。そのうちに放火もすこし下火になって、二十日の夜の五つ時の空には地上を照らす月代つきしろとてもない。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まだ月代つきしろもしない御竹倉おたけぐらの空をじっと眺めていましたが、やがてその眼を私の顔に据えると、低いながらも力のある声で、『どうもしない。一週間ばかり前に離縁をした。』
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今宵こよひさしぐむ月代つきしろのまみのうるみに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
しろがねの、月代つきしろの霜さゆる隱沼こもりぬ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
月代つきしろや煮仕舞たる馬のまめ 広房
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
月代つきしろ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
しろがねの、月代つきしろの霜さゆる隠沼こもりぬ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)