曹長そうちょう)” の例文
一大尉一特務曹長そうちょうが軍法会議に廻されたという明日発表される軍憲の移動を話して、こういう重職の交迭は決して尋常事ただごとではない。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「ぼくは高等科で、卒業したら兵隊にいくまで漁師だ。兵隊にいったら、下士官かしかんになって、曹長そうちょうぐらいになるから、おぼえとけ」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
騎兵は——近づいたのを見れば曹長そうちょうだった。それが二人の支那人を見ると、馬の歩みをゆるめながら、傲然ごうぜんと彼に声をかけた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ありはまあ兵隊だし、強いからしかたもないが、あのおとなしいいたちめに教えられて、戸棚とだなの下まで走って行ってあり曹長そうちょうにけんつくを食うとは
ツェねずみ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ええ、こう六級の曹長そうちょうでございます」こたえながらも、こんなことが父の失踪に何の関係があるのかと、トシ子は探偵の頭脳あたまやや失望を感じないわけにゆかなかった。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は村山曹長そうちょうです。河井中尉殿のもとの部下でありまして、大へんお世話になったものです……。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
特務曹長そうちょう
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)