曹洞宗そうとうしゅう)” の例文
寧国寺ねいこくじさんという曹洞宗そうとうしゅうの坊さんなのである。金田町の鉄道線路に近い処に、長い間廃寺のようになっていた寧国寺という寺がある。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
麻布の曹洞宗そうとうしゅうの大学林から早稲田の自由な文学社会にはいったかれには、冬枯れの山から緑葉の野に出たような気がした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
土淵村大字土淵の常堅寺じょうけんじ曹洞宗そうとうしゅうにて、遠野郷十二ヶ寺の触頭ふれがしらなり。或る日の夕方に村人何某という者、本宿もとじゅくより来る路にて何某という老人にあえり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
信州全国曹洞宗そうとうしゅう四百三か寺に対抗して宗門人別帳にんべつちょう離脱の運動を開始したのは慶応元年のころに当たる。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
坂の途中に今見えた「曹洞宗そうとうしゅう大学林栴檀苑せんだんえん」と書いてあった門がその入口なのである。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹洞宗そうとうしゅうの大本山総持寺そうじじのあった能登の国と、この加賀の国とを合せ、今は石川県を成します。加賀第一の名物は「九谷焼くたにやき」であります。伊万里焼いまりやきと相並んで日本の磁器の双璧そうへきであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)