曙染あけぼのぞ)” の例文
あかい萩の裾模様すそもようのある曙染あけぼのぞめの小袖に白地錦の帯をしめた愛妾あいしょうのお糸の方が、金扇に月影をうつしながら月魄つきしろを舞っていると、御相伴の家中が控えた次ノ間の下座から
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いでけたままの皮どうなるものかと沈着おちつきいたるがさて朝夕ちょうせきをともにするとなればおのおのの心易立てから襤褸ぼろが現われ俊雄はようやく冬吉のくどいに飽いて抱えの小露が曙染あけぼのぞめを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)