普化宗ふけしゅう)” の例文
京都寄竹派きちくは普化宗ふけしゅう明暗寺に行って虚無僧こむそうの入宗許可を受け、重蔵も千浪も同じような鼠甲斐絹ねずみかいきに丸ぐけ帯、天蓋尺八という姿になった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虚無僧である以上、普化宗ふけしゅう本寺の取名印しゅめいいん、すなわち竹名ちくめいを許されたという証印の書き物を所持している筈であるが、彼らは、尺八、天蓋、袈裟などの宗具のほかには、何物も所持していなかった。
「まだお若い普化宗ふけしゅうのお方。あれ、あのように一心に吹いているのに、誰か、お鳥目ちょうもくに気がつく店の者はいないのかしら……」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハイ、物乞いのように銭を投げつけられては普化宗ふけしゅうの一ぶんが立たぬと、少し怒っているような口ぶりでございます」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
==は江戸に着いて、お千絵どのの居所いどころを求めつつあり。また予をたずねんとする者は、下谷したや月寺げつじ普化宗ふけしゅう関東支配所にて問われなば知れん==。としてある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれが着馴れた普化宗ふけしゅうの三を脱いで、ちょうど、花から青葉へ移るころもがえのしおに、黒奉書の軽い着流しとなったのも、ひとつは、阿波の詮索せんさくをのがれる当座の変装である。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普化宗ふけしゅう江戸番所、一月寺末頭まっとう——
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)