“春吉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はるきち71.4%
はるよし28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家には暮から重病で寝ている女房のおまつと、六つになる孫の春吉はるきちのたった二人だけ、淋しく留守をしていたと判って、これも疑いの圏外へそれてしまいます。
ぐずぐずせずと酒もて来い、蝋燭ろうそくいじってそれが食えるか、鈍痴どじさかなで酒が飲めるか、小兼こかね春吉はるきちふさ蝶子ちょうこ四の五の云わせず掴んで来い、すねの達者な若い衆頼も、我家うちへ行て清、仙、鉄、政
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
石堂橋を渡って電車通を東中洲、西中洲を抜けて春吉はるよしへ曲り込んで、渡辺通りから郊外へ出たと思うと、驚ろくなかれ、九州の炭坑王と呼ばれた、安島子爵家の門内に走り込んだ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
またWもその当時から今の春吉はるよし六番町の広い家に、飯爨婆めしたきばあさん一人を相手の独身生活をやっているんだから、日が暮れてからソッと脱け出して、朝方帰って来る位、何でもない仕事だ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)