明科あかしな)” の例文
六月中旬頃になると松本平の北端明科あかしなあたりから眺めて、長い頂上の左の肩のすぐ下の所に雪が大きな揚羽蝶あげはちょうの形をして残る、つまり白い揚羽蝶である。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
明科あかしな停車場を下りると、さい川の西に一列の大山脈がそばだっているのが見える、我々は飛騨山脈などと小さい名を言わずに、日本アルプスとここを呼んでいる、この山々には、名のない
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
明科あかしな製材所へ出す材料の多くは、梓川や島々川の水源地の森林であったそうで、森林の濫伐は、おのずからその地盤を赤裸あかはだいて、露出させて、水害を頻繁にしたり、大にしたりすることは
上高地風景保護論 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
たとえば北アルプスに登るには、最も交通の便が開けていた大町あたりへ行くにしても、東京からは信越線の篠ノ井で松本行に乗換え明科あかしなで下車して歩くか、人力車または馬車を利用したものである。
初めて秩父に入った頃 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)