明室あきま)” の例文
くだんの次の明室あきまを越すと、取着とッつきが板戸になって、その台所を越した処に、松という仲働なかばたらき、お三と、もう一人女中が三人。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かかとの音して、するすると、もすそ気勢けはいの聞ゆるのも、我ながら寂しい中に、夢から覚めたしるしぞ、と心嬉しく、明室あきまの前を急いで越すと、次なる小室こべやの三畳は、湯殿に近い化粧部屋。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)