早乙女さおとめ)” の例文
笠を著連れた早乙女さおとめが一斉に歌をうたう。その時笠が皆傾いて見える。同じような姿勢の下に田植歌がうたわれるというのであろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
早苗さなえとる頃」で想い出すのは子供の頃に見た郷里の氏神の神田の田植の光景である。このときの晴れの早乙女さおとめには村中の娘達が揃いの紺の着物に赤帯、赤だすきで出る。
五月の唯物観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
或は上総かずさ庁南ちょうなんの草取仁王におうだの、駿河の無量寺むりょうじ早乙女さおとめ弥陀みだだの、秩父の野上のがみの泥足の弥陀だのというのが、そちこちの村にはあったのですが、その中でも一番に人間らしく
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
オナリドは煮焚にたき調理をする人ということであり、昼間はすなわちお昼の食べ物をそういうのだが、それも田植唄のなかでは長者ちょうじゃのまな娘、どの早乙女さおとめよりも美しく化粧し着かざって
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
田植は御承知の通り今でもほぼ昔のままに、早乙女さおとめを一家の外からも頼んでくる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
どろ打ちかはす早乙女さおとめのざれ 芭蕉
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
きの方から早乙女さおとめが参った
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)