“日魯(にちろ)” の例文
南岳少(わか)くして耳聾(ろう)せり。人と語るに音吐(おんと)鐘の如し。平生奇行に富む。明治卅八年秋八月日魯(にちろ)両国講和条約の結ばれし時、在野の政客暴民を皷煽(こせん)し電車を焼き官庁を破壊す。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「今話したじゃねえか。日魯(にちろ)の大戦争よ。満洲(まんしゅう)じゃねえか。」と言って、爺さんは禿頭(はげあたま)から滑り落ちそうになる鉢巻の手拭を締直(しめなお)したが、「ええと。何年前だったろう。おれももう意久地(いくじ)がねえや。」
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)