おくるべしかつ旅籠屋清兵衞はたごやせいべゑ入用にふよう何程なにほどかゝりても金屋利兵衞方かなやりへゑかたより請取うけとられ又利兵衞は吉三郎の母は病中の事ゆゑ夜具やぐ布團ふとん其外に心付け食事等しよくじとう宜敷よろしく見繼みつぐべし此段このだん屹度きつと申付たるぞもし麁末そまつ成事なることあら曲事きよくじたるべしと申わたされ皆々下られけりさて旅僧たびそう一人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)