斬口きりくち)” の例文
俯向うつむけに横倒おしになった二つの死骸の斬口きりくちを確かめるかのように、平馬はソロソロと近付いた。それから懐紙ふところがみを出して刀を拭い納めると
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
兵馬が金蔵の死骸しがいを見て衷心ちゅうしんから驚いたのは、その死にざまが怖ろしいからではない、また彼の身の成る果てを不憫ふびんと思いやったからというのでもない、その斬口きりくちあざやかさ! 心得ある人より見れば
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
少女を掻き分け死骸しがいへ手をかけ、その斬口きりくちしらべて見て