料理りょう)” の例文
その上支那服が野犬を料理りょうる時に、彼は憂鬱に黙りこんで、水汲みにぼい使われていながら不服そうな面も出来なかった。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
その筍を料理りょうっての喰べかた、何々といろいろにお上品なのもありはするが、無雑作でどこまでも江戸ッ児の口にあうは、まず飯に炊いたものである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
人間の胴っ腹へ庖丁を突っ込んだ以上は、鮪を料理りょうったのとはちっとわけが違うぞ。さあ、恐れ入って白状しろ
半七捕物帳:38 人形使い (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その日の宰領をしたのは物頭の和泉五郎兵衛という者で、獲物は鴨六百羽、しぎその他が八十羽ということであった。それから、獲物を料理りょうった膳が配られて、小酒宴が催された。
若き日の摂津守 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「大丈夫、かえって身がわりになったでしょうよ。この花瓶がですよ。でも、あの人の無事のお祈りのために、放生会ほうじょうえをしてきましょう。昨日は大きな鮒を料理りょうりましたから。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何を百姓! 料理りょうってしまえ!」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)