文天祥ぶんてんしやう)” の例文
吾々われ/\が十六七のとき文天祥ぶんてんしやう正気せいきの歌などにかぶれて、ひそかに慷慨かうがい家列伝に編入してもらひたい希望で作つたものと同程度の出来栄できばえである。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
維新回天の時やうやく迫れるの頃、長刀短袴たんこの青年にして、文天祥ぶんてんしやう正気之歌せいきのうたを知らざる者なかりしが如く、今の世、杖を学林に曳くものにして、未だ『天地有情』を知らざるものはあらじ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)