やぶ)” の例文
顔淵季路きろ侍す。子曰く、なんぞ各なんじの志を言わざると。子路曰く、願わくは車馬衣軽裘けいきゅう、朋友と共にし、之をやぶりてうらみ無からんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
退陣の時にでも積まれたかと見える死骸のつかが出来ていて、それにはわずかに草や土やまたはやぶれて血だらけになッている陣幕などが掛かッている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
(二) 顔淵がんえん季路きろ侍る。子曰く、なんぞ各なんじの志を言わざる。子路曰く、願わくは(己れの)車馬衣裘いきゅうを、朋友とともにして之をやぶるもうらみなからん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
舊衣猶ほ未だやぶれざるに之を着用して、舊衣をば行李中に押まろめたるまゝ、黴と垢とに汚さしめ、新衣をば早くも着崩して、折目も見えざるに至らしむるが如きは、惜福の工夫の無いのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「馬鹿だなあ。君はなぜ細君さいくんや子供をやぶくつのようにてたのだ。」
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)