“摩天”の読み方と例文
読み方割合
まてん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おお、えらいことだ。五十五階の摩天まてんビルが半分に折れて、あれあれ、あのようにこっちへ倒れてくるぞ。早くにげろ」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
諒闇りょうあんの黒布を瞬く間に全天におおうたり、摩天まてん白銅塔はくどうとうを見る間に築き上げては奈翁なぽれおんの雄図よりも早く微塵みじんに打崩したり、日々眼を新にする雲の幻術げんじゅつ天象てんしょうの変化を、出て見るも好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
で、旧館はことごとくこぼたれた。新しき石垣組の線は高く美しく築かれてゆき、天守閣てんしゅかくが建つ所ののみの音や手斧のひびきは、摩天まてんの丸太足場に、時代の黎明れいめいの来るのを、この国にも告げている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)