指蓋さしぶた)” の例文
ここできりの箱も可懐なつかしそうにだきしめるように持って出て、指蓋さしぶたを、すっと引くと、吉野紙よしのがみかすみの中に、お雛様とお雛様が、紅梅白梅こうばいはくばいの面影に、ほんのりと出て、口許くちもと莞爾にっことしたまう。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)