押立おしたて)” の例文
押立おしたて玄關にはむらさき縮緬の幕をはり威儀ゐぎ嚴重げんぢうに構へたり此時下の本陣には播州ばんしう姫路ひめぢの城主酒井雅樂頭殿どの歸國の折柄にて御旅宿なりしが雅樂頭うたのかみ殿上の本陣に天一坊旅宿の由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眞先に押立おしたて大縮おほちゞら熨斗目麻上下にて馬上なり尤も若黨四人長柄草履取合羽駕籠等相添あひそへ右の同勢にて八山をいでしたに/\と呼り數寄屋橋を指て練來ぬひきたるしかるに往來の横々は木戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
發足し威光ゐくわう列風れつぷうの如く十三日の道中だうちうにて東海道を滯りなく十月二日に江戸芝高輪八山やつやまの旅館へ着せり玄關にはれいの御紋附の幕をはり徳川天一坊殿旅館と墨黒に書し表札を押立おしたてたれば之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)