抜裏ぬけうら)” の例文
旧字:拔裏
彼は抜裏ぬけうらと間違えて袋の口へ這入はいり込んだ結果、好んで行き悩みの状態にもだえているのでは無かろうかと、自分で自分の判断を危ぶみ出した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たしかに承わりました。柳営の内証向ないしょうむきには、ふとした抜裏ぬけうらがござって、当節、権勢の流行神はやりがみかたへ、段々と手入れを
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
抜裏ぬけうらもあれば露路もあるってわけで、その辺のところは、心得たものですから、安心していらしてください
雲の小径 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)