抛擲はうてき)” の例文
当人は人一倍困悶こんもんしたが、何様どうも病気には勝てぬことであるから、暫く学事を抛擲はうてきして心身の保養につとめるが宜いとの勧告に従つて
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
利休にはそれが以前の持主の名器に対する執着の抛擲はうてきのやうにも見えました。利休は独語のやうに言ひました。「これでこそ、結構至極ぢや……」
利休と遠州 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
柳北翁に至つては純乎たる混沌時代の産物にして、天下の道義を嘲弄し、世道人心を抛擲はうてきして、うろたへたる風流に身をもちくづしたるものなり。
しかもそれ等は内容証明でなければ必ず配達証明だつた。僕は万事を抛擲はうてきして何度もそれ等を熟読じゆくどくした。実際又僕には熟読する必要もあつたのに違ひない。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「本当です。本当に私は抛擲はうてきしました。」
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「本當です。本當に私は抛擲はうてきしました。」
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)