投身みなげ)” の例文
小文吾こぶんごが牛の闘を見に行きました時のともをしました磯九郎いそくろうという男だの、角太郎が妻の雛衣ひなきぬ投身みなげせんとしたのを助けたる氷六ひょうろくだの、棄児すてごをした現八の父の糠助ぬかすけだの
「といって、投身みなげしたんでもありませんよ。心臓を深く刺されて殺されているんですから」
若い社員は投身みなげをするにも、同じ事なら東京の水溜みづだまりでしたいやうな口ぶりで言つた。
こんな山奥に逃込むとは驚いた女もあるものかな、もしや男と共に谷間へ投身みなげでもしたのではあるまいか、どこかそこらの森林で首でもくくって死んだのではあるまいかと思うと、余りい気持はせぬ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
おや! 投身みなげかな?
まるで借りた物を返すといつた風だ。得て投身みなげでもする人は、借りた金を返さないやうなてあひに多いが、履物だけは自分の持合せでありながら借物ででもあるやうにきちんと取揃へてゐる。