手携てさ)” の例文
へやのすみに腰かけて、手携てさげとパラソルとをひざに引きつけながら、たった一人その部屋へやの中にいるもののように鷹揚おうように構えていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
私の手携てさげ袋の中には、奈良の薬師寺で拾った瓦や、東大寺で買った鐘や、いろ/\のものが入っているので、手が痛くなって、其処の松並木の下の草原で暫らく休んだ。
舞子より須磨へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分でてきぱきとそこいらを片づけて置いて、パラソルと手携てさげを取り上げるが否やその宿を出た。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「あいつの手携てさげに入れたかしらん」という声がしたので葉子ははっと思った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)