手刃しゅじん)” の例文
今両人を手刃しゅじんして、その浅ましい事実を自分が知っているということを家中の者に知らせるのも、彼にとってはかなりの苦痛であった。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
忠直卿にいさぎよ手刃しゅじんされんための手段に過ぎなかったようにも思われた、もしそうだとすると、忠直卿が見事にその利腕を取って捻じ倒したのも、紅白仕合に敵の大将を見事に破っていたのと
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
最後には、家臣をほしいままに手刃しゅじんするばかりでなく、無辜むこの良民を捕えて、これに凶刃を加えるに至った。ことに口碑こうひに残る「石のまないた」の言い伝えは、百世の後なお人におもてを背けさせるものである。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)