房枝ふさえ)” の例文
その店の主人というのは、もう四十をとっくに越したらしい女で、恒川房枝ふさえ——女文字で、そんな標札がかかっていた。
銀座幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
房枝ふさえは、三等船室の丸窓まるまどに、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
チャーミングさんは、森川夫人の妹の房枝ふさえさんが、外務参事官のお父さんと巴里パリーに住んでいたころの愛人だった。
現在でも私は高円寺こうえんじ五丁目に住んで居りますが、其の頃も場所こそ違え同じ高円寺一丁目の家賃十六円の粗末な貸家を借りて、妻の房枝ふさえと二歳になるまもると共々に文筆業を営んで居たのであります。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
房枝ふさえさん」
錯覚の拷問室 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
話はかわって、その後の房枝ふさえはどうなったであろうか。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)