成良しげなが)” の例文
さきに直義ただよしが奉じて下向した成良しげなが親王はぜひにお連れ申し上げなければならない。いやそれと、尊氏の子の千寿王や、みだい所の登子とうこもいるのだ。
鎌倉をのがれ出た成良しげなが親王をして“征夷大将軍トスル”という補任の令である。——これで尊氏もあきらめよう。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎌倉から救出して連れていた成良しげなが親王・みだい所の登子・またとくに若御料わかごりょう(尊氏の一子・千寿王)らの足弱をおいて——そうした短気はおこしえないところであった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成良しげなが親王(義良のりながの兄)を、関東の管領かんりょうとし、足利直義ただよし朝臣あそんを相模守に任じ、その補佐とする——
もちろん、この列は、いちど御所の郁芳門いくほうもんへ立ち寄り、成良しげなが親王のお輿こしを奉じて、それから立ったことなので、何かと手間どり、じっさいに都を出たのは、ひるごろになっていた。