懺悔話ざんげばなし)” の例文
これというのも、あなたの懺悔話ざんげばなしを伺って余り御気の毒に思ったものですから、つい我を忘れて変な理窟を考え出して了ったのです。
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
他人の門戸をうかがうような不倫をあえてするに至った事の申し訳にもいくぶんはなるかもしれないから一つの懺悔話ざんげばなしとしてここにしるしてみよう。
物置の前から奥の一と間に案内されて、平次とガラッ八は、磯屋貫兵衛の不思議な懺悔話ざんげばなしに耳を傾けました。
「女殺し……あなたという人は、今まで幾人の女を殺しました、さあ、今晩の寝物語に、その懺悔話ざんげばなしを聞こうじゃありませんか、ぜひ……白状しないと殺すよ」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「私のは功名談なんて景気の好いものじゃありません。懺悔話ざんげばなしですから、御所望ごしょもうされると困ります」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私と親しく話をする時分に折々尼僧と共々に涙を流してあの時に、あんな事がなかったらこんな馬鹿な事はなかったろうという懺悔話ざんげばなしを折々聞いた。そういう点を見ても全く根が悪い人でない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
私が、女だてらに怖ろしい渡世とせいをしていたことは、いつか、万吉さんからも話しました。また、私の口からも、幾度となく懺悔話ざんげばなしをしてあります。けれど、もうお綱は、きれいに足を洗いました。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからあかつきかけて、一切の懺悔話ざんげばなし
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
物置の前から奧の一と間に案内されて、平次とガラツ八は、磯屋貫兵衞の不思議な懺悔話ざんげばなしに耳をかたむけました。
先生、どうかこれから申上げます私の懺悔話ざんげばなしを御聞取の上、裁判官の方々に御伝え下さい。
ここまで申し上げたら、あなたも、懺悔話ざんげばなしをして下すってもいいでしょう
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「四五十年前の懺悔話ざんげばなしになります」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その通りだ、——父上、成滝近江は、三十何年前姫路を退転したとはかねがね聞いているが、その父上を、藤枝蔵人が討ったという懺悔話ざんげばなしは、先日始めて三河屋で聞いた。
何が、どういとぐちになったか知れないうちに、関守の懺悔話ざんげばなしとなりました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)