懸持かけもち)” の例文
そういう時勢であったから椿岳は二軒懸持かけもちの旦那であごでていたが、淡島屋の妻たるおくみは男まさりのかぬ気であったから椿岳の放縦気随にあきたらないで自然段々と疎々うとうとしくなり
こういう訳で、未熟な私は双方の学校を懸持かけもちしようなどという慾張根性よくばりこんじょうさらになかったにかかわらず、関係者に要らざる手数をかけた後、とうとう高等師範の方へ行く事になりました。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)