懐中紙ふところがみ)” の例文
旧字:懷中紙
という歌を懐中紙ふところがみに書いたのを持たせておやりになった。尼君は心を打たれたようにしおれてしまった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
八五郎は懐中紙ふところがみの間から、小型の黄楊つげぐしを一つ出して見せました。
(七五郎の矢立を取り、懐中紙ふところがみを披き)
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
不思議なことであると思っていると、また男の懐中紙ふところがみにむだ書きのしてあるものが几帳きちょうの前に散らかっているのも目にとまった。なんという恐ろしいことが起こっているのだろうと大臣は驚いた。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)