愧入はじい)” の例文
長「わしは決して云わんよ、云やア自ら恥辱はじを流布するんだから云いませんが、あゝ……誠に愧入はじいった、此の通り汗が出ます、面目次第もない、何卒どうぞ堪忍して下さい」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
激し、ふさがり、愧入はじいるが如く、うつ向いていたと思われたが、そのうちに一声、うーむとうめくと、馬の上からまろび落ちて遂に、そのまま、息絶えてしまった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今もいう通り何分不如意ふにょいじゃに依って御当家へ願うたのも、然ういう柔弱な身体じゃから、商人あきんどに仕ようと思うた私の心尽こゝろづくしも水の泡となり、それのみならず誠に愧入はじいったのは此の八十両の金子かねじゃ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)