惜別せきべつ)” の例文
すると楊懐ようかい高沛こうはいなどは、かねてより希望していることですから、かならず面に歓びをかくし口に惜別せきべつを述べて送りにきましょう。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
X大使に、下から出られると、私もまた、彼に対し、ふしぎに惜別せきべつの念を禁じ得なくなった。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宗治は遠く岩崎山のほうへ向って、心のうちでは多年の恩顧おんこを謝し、なつかしの主家の旗を見ては、ひとみに惜別せきべつをこめていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸大将も、惜別せきべつのことばを繰返しながら、最後の別杯をあげて、各〻、休息に退がった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
惜別せきべつの情はありありおもてに示していたが、ぜひもなげに
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生まれた屋敷を思うと、さすがに、惜別せきべつがふかい。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)