“悼(くや)” の例文
実は母が八十の高齢で遂に昨日死んだとの悼(くや)み言(ごと)、釜貞は仏前へ差出す一物もなく、まして非常の際に無心に来たとも言はれもせず、茫然自失の体(てい)であつた。
名工出世譚 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「——あなたのご臨終もはや近づいたので、今日は、お悼(くや)みをのべに上がりました」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはそうと、ぜんてえどうしたというのだ、千賀春というあばずれのことは、部屋でよく聞いて知っているが、おれにゃア、藤波なんぞから悼(くや)みを言われるような差合(さしあい)はねえのだが……」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
若し此の知識がもつと広まつてゐたら吾々が今その死を悼(くや)んでゐるあの子供は、死なずに済んで、今猶そのお母さんのいとし子でゐる事が出来てゐたらうと思ひます。実にあの子供は可哀さうでした。
「お悼(くや)みの手紙を差上げましたら」
柿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
泰博が殺されたとき、さる府生(ふせい)が役所で悼(くや)みをいうと、泰文は
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
泰博が殺されたとき、さる府生が役所で悼(くや)みをいうと泰文は
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)