悲傷かなしみ)” の例文
楽しい過去の追憶おもひでは今の悲傷かなしみを二重にして感じさせる。『あゝ、あゝ、奈何どうして俺は斯様こんな猜疑深うたがひぶかくなつたらう。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
暗くさみしい四辻の角のところへ出ると、頻に遠くの方で犬のほえる声が聞える。其時はもう自分で自分をおさへることが出来なかつた。堪へ難い悲傷かなしみの涙は一時に流れて来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)