悪行あくぎょう)” の例文
旧字:惡行
「蜘蛛太……。おまえはまだ、そんな怖ろしい心を持っているのか。あれほどわしがいったのに、まだ、悪行あくぎょうをやめてくれないのか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを機会に悪行あくぎょうをやめ、門を閉じて読書に努めたお蔭で、まず今日こんにちの身の上になりましたが、数えてみるとそれはもう二十七年の昔になります。
て申し続きました深見新吉は、お賤を連れて足かけ五年間の旅中たびちゅう悪行あくぎょうでございまする、不図ふと下総の塚前村と申しまする処の、観音堂の庵室に足をとめる事に成りました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
悪行あくぎょうはおやめくださいまし」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「一族の端くれたりといえども、天蔵の悪行あくぎょうは、やはり蜂須賀一党の罪。後日必ず誅罰ちゅうばつを正し、村民をなぐさみ、神帛しんぱくを捧げて、お詫び仕るでござろう」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、この甥の悪行あくぎょうに怒って、遠く甲州境まで、一族をつれて成敗せいばいに追いまわしたものである。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その姿を見ると、お粂もそら怖ろしいほど、自己の悪行あくぎょうに、おののかぬのではありません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死期を悟ったものであろう、紋日の虎五郎、苦しい息で、しきりに悪行あくぎょうをざんげする。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)