怪訝顔けげんがお)” の例文
黒くなりたるひつの上に、美しき手毬てまりのありしを、女の児に与うれば、気味悪そうに手に取りて、「こりゃ何。」と怪訝顔けげんがお
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寺田寅彦さんと云う方は御座らぬかとわめくボーイの濁声だみごえうるさければ黙って居けるがあまりに呼び立つる故オイ何んだと起き上がれば貴方あなたですかと怪訝顔けげんがおなるも気の毒なり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
むくむくと起き上ったる清吉寝惚眼ねぼれめをこすりこすり怪訝顔けげんがおしてまごつくに、お吉ともども噴飯ふきだして笑い、清吉昨夜ゆうべはどうしたか、となぶれば急にかしこまって無茶苦茶に頭を下げ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「誰かと思ったら……」と、小五はやっと、怪訝顔けげんがおを解いて笑い出した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、怪訝顔けげんがおして訊ねた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、僧は怪訝顔けげんがお
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)