急場きゅうば)” の例文
相手は中々手強てごわい。私の左腕はちぎれるように痛みを増した。急場きゅうばだ、ヒラリと二度目に怪漢の腕をさけると、三度目には身を沈め、下から相手の脾腹ひばらを突き上げた。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「やあ、重政どのか。おん身と拙者とは、年来の親友。殊に、おん身の老母は今、蟹江ノ城にあるので、この急場きゅうばを賢明な御思慮によって、あやまらぬよう、一ムチ打って、申しに来た」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「けれども、わたしのは、いつのことだか知れません、お前さんのは急場きゅうばですから」
「それはずいぶん面倒なことだね。急場きゅうばの間に合わないや」